この作品は、約1400年にも及ぶ貨幣の歴史と、その間日本文化にどのような変化がもたらされ、それにより日本貨幣がどのように変容してきたのかを考察したものである。貨幣とは財力の一つであり、人々の富を表す象徴的な物といえる。主に物品と交換するための道具として用いられてきた貨幣であるが、その価値は種類によって様々である。私はゼミ活動で日本の歴史を学ぶうちに日本貨幣の中には様々な物が存在することを知り興味を持つようになったのである。
そこで、私は日本貨幣がどのように始まり伝わっていったのか、日本の貨幣文化がどのように変化していったかについてまとめてみることにした。(本論では、初期から戦後直後までの歴史を振り返るものとする)
全3章からなる本論では、貨幣とはどのようなものか、どのようにして貨幣が誕生したのか、また貨幣が人々の暮らしにどの様な影響を与えたのかという点について調べる事から始まり、次に日本独自の貨幣誕生に関わる人物や、貨幣が誕生した背景や時代の特徴や技術の変化の歴史について述べる。そして、明治以降の貨幣の移り変わりから戦時中の貨幣などを、外国からの文化の影響と共に簡単に説明していきたいと思う。
また、何故貨幣が改鋳されてきたのかという点について「貨幣の変容は時の権力者の主導によってもたらされるのではないか」「貨幣の変容の理由には原材料の不足などがあったからではないか」という予想のもとに、時代ごとに、どのような背景で今日まで伝わってきたかという点と、改鋳の理由について調査したものである。