予告編の知られざる部分 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成18年度卒業研究概要集] [平成18年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
小宮山 隆 ゼミ 平成18年度卒業論文
予告編の知られざる部分
矢田 雅也

わずか1分30秒の中に映画の見所を詰め込み、観客にその映画を見に行きたくさせる予告編。それはテレビ・劇場・インターネット・DVDなど様々なメディアを通して見ることができ、自分たちの身近なところに位置している。考えてみると予告編とは不思議な存在である。本編とは独立した一つの作品ではあるが、本編をなるべく多くの人々に見てもらうための広告でもある。この広告に魅了され映画館に足を運ぶ人々が圧倒的多数を占め、なおかつ来場した客の数だけ感想がある。予告通り素晴らしい作品だったと感じる人もいれば、期待はずれだったと感じる人もいる。本編とは独立した作品ではあるが、本編を見る人々に与える影響は大きい。しかし予告編がどのように作られ、予告篇がどういった存在であるかはあまり知られていない。

日本の映画市場は一大マーケットとして世界から注目されており、日本人向けの予告編が特別に作られることも多い。つまり予告編には本国版と日本版の二つが存在する場合がある。本論では、この二つの予告編を通じて日本人の感性に訴える要素や、日本版における宣伝戦略などについて考察した。

予告編は本編上映前、上映中においては重要な役割を果たすものだが、本編の上映が終わると必要がなくなりほとんどが捨てられるだけの存在である。そうした予告編作品としての価値にも注目した。