カラオケは日本をどう変えたか [東京情報大学] [情報文化学科] [平成18年度卒業研究概要集] [平成18年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
小宮山 隆 ゼミ 平成18年度卒業論文
カラオケは日本をどう変えたか
高橋 淳

本論文はカラオケ産業が十数年で一兆円規模の市場に急成長した要因とも言える通信カラオケを中心にカラオケが日本の社会、文化に及ぼした影響について調べたものである。また、カラオケ利用実態を把握するために全国カラオケ事業者協会が作成しアンケート調査を行ったデータを元に比較、分析し、結果をまとめたものや自分の考察を交えて論文としたものである。

カラオケとは事前に録音された伴奏を再生することにより歌を歌うための装置、歌うための場所を提供している店(カラオケボックス)のことを略して指す。これはカラオケが一般大衆に一般化していることの証であり、歌ってストレスを発散させるため、娯楽に分類されている。

わが国の余暇活動をめぐる環境においては、年間総労働時間はここ数年1840時間前後で推移しており、余暇にかける時間やお金も特に大きな変化は見られない。その中でカラオケに目を転じてみると、カラオケ参加人口はカラオケ誕生後から緩やかに上昇し、微減傾向にある。カラオケボックス施設については1996年にピークを記録し、2003年まで減少しているものの、1施設当たりの平均ルーム数は徐々に増加し、今年度もその傾向が続いている。これはカラオケボックス市場における店舗規模の大型化傾向が続いている。

大衆のカラオケ利用結果を分析すると、演歌中心で高年層しか利用されなかったカラオケが老若男女で様々なジャンルのカラオケを楽しめるように変化してきた。カラオケはカラオケボックス、酒場、旅館など色々なところで手軽にカラオケを楽しめる日本発の文化・娯楽となっていることや、カラオケが常に最先端技術と密接に結びついて発展してきたことがわかる。この産業・ビジネスは今後も時代とともにスタイルを改め、歌う喜びと新たな可能性を伝えてゆくだろう。