情報大ステーション2005第10回『菜の花から考える環境問題〜なのはなエコプロジェクト・旭市菜の花祭り〜』(2005年 9月3日放映)の制作 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成18年度卒業研究概要集] [平成18年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
伊藤 敏朗 ゼミ 平成18年度卒業論文
情報大ステーション2005第10回『菜の花から考える環境問題〜なのはなエコプロジェクト・旭市菜の花祭り〜』(2005年 9月3日放映)の制作
駒井 隆介

この作品は、菜の花エコプロジェクトの一環として開催された「旭市菜の花まつり」に参加して、撮影やインタビューを行い、菜の花エコプロジェクトの趣旨や具体的な内容を紹介したものである。

菜の花エコプロジェクトとは、千葉県の県花「菜の花」から採れる食用油の活用や、廃食用油の資源化を進めることで、環境に優しいライフスタイルを身につけ、エネルギー循環型社会の実現をめざすことを主な目的とした活動である。「旭市菜の花まつり」は、このプロジェクトを県民に広めるために開催されるイベントである。

作品では、まず、房総の花の豊かさを紹介する映像につづいて、会場で高校生が自己紹介した後、場内のさまざまな展示等を紹介していく。菜種油のジャッキ搾油実演や、廃食用油をリサイクルして石鹸を作る様子について見学し、それぞれの担当者にインタビューをする。スタジオにもどり、実際にスタジオの中に、搾油機を持ち込み、高校生が菜種油の搾油を実演し、また、菜の花エコプロジェクトの具体的な内容をフリップで紹介する。再び、映像レポートとなり、バイオ・ディーゼル燃料で動くトラクターを見学し、最後に実行委員長の大松さんにインタビューをする。

この作品のテーマは、視聴者に菜の花エコプロジェクトについて知ってもらい、環境問題を見つめなおすきっかけとしてもらうことであり、その目的は達せられたと思う。スタジオでの搾油の実演場面の収録に際しては、千葉県環境再生基金から、搾油機を特別に貸し出しをして頂いた。機械の借用や運搬などの作業は大変だったが、この場面があることで、番組のテーマを明快なものとすることができ、構成上も大きな見せ場になり、大変よかったと思う。

取材をおこなったのが、ゼミがスタートして間もない4月のことでもあり、撮影技術が未熟なために、編集で苦労したところも多かった。スタジオで行った搾油作業では、最初に真っ黒な菜種油が抽出されたところを収録したのだが、その後、本来はより透明度の高いものであるということがわかって、アップのカットだけを撮り直したのが、前後のカットとのつながりが不自然になってしまうといった失敗もあった。複雑なテーマや素材を扱うこのような番組制作では、事前調査をより入念におこなっておくべきであったと思う。

この作品の評価については、「環境問題についてもっと考えないといけないと気づかされた」、「菜の花が環境にやさしいことがわかった」などが多く、番組のねらいがよく伝わったものと思われた。「菜の花の映像が綺麗だった」、「子供達が菜の花畑で戯れる様子が微笑ましかった」など、撮影や編集についての好意的な意見もあった一方、「話し方が不自然」、「レフがずれていた」などの意見もあった。学生が制作する番組とはいえ、テレビで流れるものであり、プロが作ったものと比べられてしまうことは致し方なく、今後、技術力と演出力での向上を図っていきたいと思った。

この作品の制作を通じて、菜の花にはさまざまな活用法があるということや、菜の花エコプロジェクトの活動の趣旨がよく理解でき、環境問題への意識が高まった。テレビ番組を制作するという初めての経験をして、メディアを通じてたくさんの人々に自分の作品を発表する楽しさを知ることができた。