情報大ステーション2005第2回『支えあう心〜県立佐倉南高校・介護福祉体験授業〜』(2005年07月09日放映) [東京情報大学] [情報文化学科] [平成18年度卒業研究概要集] [平成18年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
伊藤 敏朗 ゼミ 平成18年度卒業論文
情報大ステーション2005第2回『支えあう心〜県立佐倉南高校・介護福祉体験授業〜』(2005年07月09日放映)
邱 秒嘉

この作品は、千葉県立佐倉南高等学校における「1年次じりつの時間・介護福祉用具体験学習」という特別授業を紹介したものである。

この取り組みは、社団法人日本福祉用具供給協会から14名の講師が同校に派遣されて、1年生の生徒たちに実際に介護・福祉用具の体験を学習してもらうというもので、生徒達に、障害をもつ人々と支え合って生きるということの大切さを自分たちの課題として捉えてもらい、また今後の高齢化社会の課題についても知ってもらいたいという目的から行なわれている。健常者、特に若年たちが障害者や高齢者の方や、介護福祉用具・用品に接する機会は必ずしも多くはない。このような体験学習を通じて、理解と関心を深め、思いやりの気持ちを育み、支えあうことの大切さを認識しようという趣旨である。

番組では、佐倉南高校の2名の高校生達がレポーターとなって、スタジオで、同校のとりくみについて説明した後、映像レポートとなり、実際に介護福祉用具の体験授業の様子を紹介する。用具が校舎に運び込まれるシーンから始まり、この授業に協力してくれた介護福祉関係の企業やNPOの皆さんを紹介する。つぎに、全受講者を前に、日本福祉用具供給協会の畔上加代子さんが、さまざまな介護福祉の経験について講演し、生徒達は、この日の授業のめあてを確認する。その後、体験が始まり、今回レポーター役となった佐倉南高校の生徒2名を中心に、「目が見えないと」、「耳が聞こえないと」、「片手が使えないと」、「片足が使えないと」、「靴下を履く」などについて、紹介していった。

スタジオシーンを挿入した後、続いて「介護ベッド」を体験したり、さまざまな介護福祉用品についての説明を聞く。その後、二人で車椅子に乗ったり、車椅子を押したりする体験をして、またスタジオに戻り、レポーターと司会者が福祉用具体験学習の体験や意義についての感想を述べあって番組は終わる。

この番組のポイントは、前半では、レポーターの高校生が、体の一部をボール紙なので拘束することで、身体に不自由がある人の生活を疑似体験することで、どのような不便があるのか、そこに介護福祉用具を使うと、どのような変化が出てくるか、ということがよくわかるところであり、後半でも、介護福祉用品を紹介する場面で、視聴者がなるほどと思うような工夫のある用品・用具がさまざま紹介されるなど、介護福祉に関わる有益な情報を提供していることである。「車椅子」の体験場面では、坂道やトイレなど、車椅子の扱いづらい場所についての問題なども伝えられたと思う。

番組の放映は7月9日だが、取材は1月のことであった。スタッフは映像ゼミに入ったばかりで、カメラの使い方なども慣れてない時期なので、未熟さの残る番組であり、さまざま反省点があった。

視聴者からの評価としては、「構成はすばらしい」、「授業の先生の言葉をしっかり捉えたのはとてもいい」、「この体験のねらいが確かに伝えられた」、「教育活動という視点からすればいいと思う」などが多かった。「マイクが近過ぎるのか気になる音があった」、「いちいちVTRスタート!とは言わなくてもいい」などの意見もあった。

この番組によって、手助けを必要としている人々の身になって考え、支え合って生きるということの大切さを伝えることができたと思う。我々自身もいつかは人から支えてもらう立場になるかもしれない。双方の立場から、介護福祉用具や用品についての知識を持っていることが大切だということである。多くの人々にぜひ見てもらいたい番組である。