本研究は、バドミントンにおいてのクリアー動作を経験歴の異なる4人の被験者を使い行うことで、理想のフォームや経験歴によって生じる違いをより分かりやすくなるように比較、分析した。
被験者は、経験歴15年(被験者A)、7年(被験者B)、体育教員(被験者C)、体育の授業程度(被験者D)の4人にハイクリアーで20本行わせ、被験者が最もよいとするショットを分析対象とした。
分析項目は1)被験者の手首、肘、肩の角度比較2)ラケットヘッド、手首、肘、肩の各速度の比較3)三次元画像、連続写真による比較を行った。手首、肘、肩の角度からは、A、B、Cは変化の幅は大きく変わらないが、CはA、Bと比べると、全体的に角度が低かった。Dは、開始時から最後まで角度変化は小さかった。速度の比較では、経験歴が長い被験者と短い被験者ではインパクト時に速度はA、C、Dは35〜40m/s位でBのみが40m/sを越えていた。 速度は、Bのみが突出していたが予想していたほど大差は読み取れなかった。三次元画像、連続写真からは、被験者、A,Bを比較すると同じ経験者同士でもフォームの違いが見られた。被験者CとDにおいては、Cのほうがより経験者に近い結果だった。
これらから、手首、肘、肩の角度においての違いが大きく、スイング速度の違いは見られなかった。被験者の経験歴による違いはフォームが最も明確であった。クリアーにおいて、速度よりもスイング時のフォーム、肘などの角度が重要であると考えられる。