本研究は、良いコーナーキックはどのようなキックなのか、経験者と未経験者の二人の動作を分析し、比較したものである。
被験者は、大学の4年生で、サッカー歴約7年の経験者と未経験者の二人を被験者A、Bとした。分析項目は、キックのフォーム、左足(蹴り足)の足先の高さ、軸脚(右膝)の角度、右肩の角度は3次元分析をした。
キックのフォームでは、被験者Bは身体が傾斜していなかったので、ミート出来ていなかったと思われる。左足(蹴り足)の足先の高さでは、被験者Aのインパクト時の足先の高さは約0.1cm、被験者Bは約12.6cmと、約13cmも高さに差が出ていて、被験者Bはボールの下方をとらえる事が出来ていなかったと考えられる。右肩の角度では、被験者Aは最大で約131度、インパクト後最大で約44度まで角度が小さくなっていて被験者Bよりも角度の変化が大きく、腕が振れていたと推測できる。軸脚(右膝)の角度では、被験者Bを被験者Aと比較すると、約13度小さく、曲がっていない。その事により、いわゆるフォームが「窮屈」になっていて、ボールを下方からとらえにくくなっていたと思われる。
以上の結果から、良いコーナーキックを蹴るには、身体を少し斜めに倒しながら蹴る、ボールの下方をとらえる、フォームがいわゆる「窮屈」にならないように膝を曲げる、腕を大きく振ることが重要だと推測できる結果となった。