地上波デジタル放送は2003年の12月1日に関東・近畿・中京の3大広域圏で放送が開始され、2006年12月には各県庁所在地のテレビ局で放送が開始され、2011年7月24日までに現在放送されている地上波アナログ放送は終了し全てデジタル放送に移行するといわれている。
2011年以降も番組を受信する為には、今現在一般的に使われているアナログテレビにデジタルチューナーを取り付けるか、テレビを買い換える事でデジタル放送を受信する事ができるが、アナログ放送が終了してしまうと、受信することができなくなる。
ここで考えたのが、果たして何十年と続けてきた地上波アナログ放送をわずか10年足らずで普及させることができるのであろうかという疑問であった。
それを裏付けるのが日本の家庭のテレビの普及率である。外務省の世界通信連盟・世界通信開発報告によると、2003年の時点で日本のテレビの保有率は、トルコ、ノルウェーに次いで第3位であり、保有世帯率は99.8%という報告がなされている。現在日本の世帯数は約4500〜5000万世帯といわれているので、単純に考えてみても2011年以降ほぼ全ての世帯がデジタル放送に移行するのに問題があるのではないか。と思いこの地上波デジタル放送というテーマを取り上げてみた。
本研究では地上波デジタル放送の普及における制度に対する考えを国(総務省)、テレビ局、視聴者の3つの立場で考え、双方のギャップや問題点を挙げた上で、現在から2011年アナログ放送終了までの間までの普及への対策と予想を移行するという前提で考えてみようと思う。