今日の映像作品の中には、様々な映像手法・技術が使われている。視聴者の心を操るこの映像のトリックは、手法自体は知られているが「何故視聴者が映像手法の効果を受けるのか」のプロセスや理由はあまり研究が進んでいない。
私は、視聴者の心理に影響を及ぼすことから心理学分野、中でも認知心理にそのヒントがあるのではないかと思い、これを研究課題に取り上げようと考えた。本論文では、映像制作時における映像手法、中でも「撮影」におけるカメラアングルと、「編集」におけるカット編集・モンタージュについて視聴者に対しどのような効果があるのかを調べ、前例研究を応用した簡単な調査実験を通し心理学的側面からその考察を試みている。