近年、日本ではプロ野球人気が低迷しているという報道がよく見られる。例をあげれば巨人戦のテレビ中継について「中継でゴールデンタイムの視聴率が下がり、広告業績に影響した。プロ野球人気の下落に歯止めがかかっていない」という発言をテレビ朝日の専務がしたという記事などがあった。また、2004年、近鉄バファローズとオリックスブルーウェーブとの合併問題から球団数を削減しての1リーグ化構想、日本プロ野球史上初となる選手会によるストライキなどがあり、人気が低迷しているという報道があったことは記憶に新しい。
しかし実際はどうなのだろうか。確かに巨人戦の視聴率は年々低下しているかもしれない。だが、巨人という一面だけを見てプロ野球人気が低迷していると判断してしまっていいものなのだろうか。合併問題や史上初のストライキなどが起こった2004年から球団は様々な努力をして観客動員を増やそうとしている。2005年の千葉ロッテマリーンズ、2006年の北海道日本ハムファイターズの優勝で見えた盛り上がりがあるように巨人戦の視聴率の低迷=プロ野球人気の低迷といったことは間違っているのではないか。
そこで、プロ野球人気の現状はどうあるのかということを、テレビでの試合中継など深い繋がりを持っているメディアとの関わり、観客動員の推移、地域密着の運営といったことから調べていきたいと思う。