音楽聴取による気分変化というものは人それぞれに個人差があり、非常に曖昧なものである。そういった曖昧な事をはっきりさせるためには、アンケートで多くの回答者に回答してもらい、データを集めるが一番適している。そこで今回の研究は、アンケートによりデータを集めて分析をするのだが、佐々木、栗田、松戸の3人の先輩方が行ったアンケート集計結果を基にさらに分析をし、音楽聴取による気分変化を詳しく見ていくというものである。
アンケート対象は東京情報大生164名(男性124名 女性40名)とする。
質問1に音楽を聴く理由を語群から選んで○を付ける(複数回答可)。質問2はどんなジャンルの音楽が好きか、ジャンルの語群から選んでアーティスト名を記入。その後に聴く前の気分を、気分を表す語群から選び、そして聴いた後の気分を、気分を表す語群から選ぶ。その際聴く前と聴いた後が同じ気分で、気分の度合いが変わった場合、度合いが強くなれば↑、弱くなれば↓を記入する。
質問3は実際に今まで経験した中で、音楽を聴くことによって気分が変化した事を記入してもらった。音楽を聴く前の気分を、気分を表す語群から選択し、その気分になった原因を自由回答で記入してもらう。そして聴いた音楽のジャンルを、ジャンルを表す語群から選択し、アーティスト名、曲名を覚えている範囲で記入してもらう。
結果は、質問1は音楽を聴く理由が「好きだから」という回答が多かった。つまり、音楽は多くの人々に好かれている事がわかった。質問2ではネガティブな気分でもポジティブな気分でも、音楽を聴いた後はほとんどがポジティブな気分に変化している。これによって、自分の気分の安定を保つために、または気分を盛り上げるために音楽を聴いているのだろう。男性は「ロック」、女性は「ポップス」を多く聴いている傾向があった。これはアンケートの対象が大学生と言う事が大きく影響しているのだろう。
質問3では質問2と同様に、男女とも「ポップス」を聴いて気分がポジティブになる事が多いのがわかり、普段音楽を聴いた気分変化と、過去の体験での音楽聴取による気分変化にはそれほど違いはなかった。