超音波における人間の聞こえの関係 -ヘッドホン聴取の場合- [東京情報大学] [情報文化学科] [平成18年度卒業研究概要集] [平成18年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
西村 明 ゼミ 平成18年度卒業論文
超音波における人間の聞こえの関係 -ヘッドホン聴取の場合-
宋 基豪

人間に聞こえる音の周波数は20kHzが限界とされている。しかし20kHz以上の高周波成分が音楽を聴く人間に何らかの影響を及ぼすのではないかという、音楽収録の現場での意見がある。

本実験の目的は超音波を含む音と含まない音を比較し、人間の聴取能力で見分けられるかを検査することである。佐々木の実験や成毛の実験と違うところは、周辺の雑音に影響されにくくするためにヘッドポンによる聴取で実験を行ったことである。

実験ではSACDに収録されたガムラン音楽を編集して高周波を含む音(FRS)と含まない音(HCS)として被験者Aは62%の正解率で超音波を有意差を持って感知することができたが、被験者Bは感知できなかった。しかし、被験者Aの場合、超音波を感知したものの実験後半になると正解率が落ちた。

これらの結果、20kHz以上の高周波成分を含んだ音を実験に中で繰り返し聞いても、長時間聞いているうちに超音波が聞こえるとは限らないと考えられる。

今回の実験では被験者の数が二人で少なかったことが改善すべきことであった。今後は被験者を増やす、他のジャンルを試すなどこれらの要素を考慮した追加実験が行われるべきである。

現在オーディオ業界ではより多くの曲を入れるためや、よりコンパクト化するため、音質を下げ、容量を少なくする動きが見られる。高周波成分についての研究はまだ小規模ではあるが注目の分野である。