私は、は2003年12月から2004年6月までの間、友人の付き合いから頼まれ、あるインディーズの音楽事務所でライブイベントの撮影・編集を行っていた。こうした経験と実績をもとにして、ライブイベントでの演奏を撮影・編集し卒業制作物として提出した。(DVD・120分)
ライブハウスでの音楽演奏を映像化する場合、音楽をきちんと聴かせるとか、臨場感や曲の躍動感を表現するには、一般的な記録映像の場合と比べて高度な映像処理能力を必要とする。しかしこうしたライブハウスでの映像撮影で効果的なカメラワークや音声収録の方法については、必ずしも有効なガイドブックがあるわけでもない。また撮影の現場では、ステージ台本や演奏する楽曲の楽譜すらほとんど無く、リハーサル演奏の様子と演奏者との打ち合わせなど数少ない機会を得ての撮影であった。
大学で映像撮影の基本を学んでいたとはいえ、ライブ音楽の撮影といった未経験の領域を1から作っていくのは試行錯誤の連続であった。カメラ設置のシステム・撮影術・編集術などを自分で工夫し、作品制作に取り組んだ。また、カメラ・編集機器については、プロ用の業務用機材を用いることなく、一般的な民生用カメラとパソコンで制作してみた。