商業用映像伝言、つまりコマーシャルのことである。テレビをつければ必ず目に入ってくる広告媒体、テレビコマーシャル。日常の生活の中で触れないことがないコマーシャル(CM)に以前から強い興味を持っていた。
本論文の前半では、コマーシャルについての基礎知識として、コマーシャルの役割、制作、流行語大賞にノミネートされた作品などを紹介している。また、コマーシャルがテレビ番組の合間に送出されていく多用な方式、送出の仕組みとCMバンクについても触れている。
後半では、平成17年11月4日(金)午前4時から25日(土)午前5時までフジテレビの番組を録画・モニターし、その間に放送されているコマーシャルの分析をおこなった。25時間中のコマーシャル本数は総計632本に及んだ(番組や映画、ミュージシャンの宣伝を除いて)。これを、企業名、商品名、商品の種類、出演者、BGM、そのコマーシャルが流れている番組名、キャッチコピーについてそれぞれ調べた。そして、これらのデータをもとに、コマーシャルの業種分類、放送時間帯、出演者、BGMに焦点をあてて、現代におけるコマーシャルの諸特性を分析・研究した。さらに、受け手である我々とCMの賢い付き合い方についても考察した。