本研究では画像処理による画像認識(画像理解)を主たる研究分野としている。画像処理による工学的視点及び、人間の感性といった感性情報学・認知科学的視点、そしてロボット工学など、多分野にわたる研究分野である。人間は瞬時に視覚情報処理を行っているが、それをコンピュータとカメラを利用し、いかにして人間に近い処理をコンピュータ上で実現するか。また、人間は静止画像処理ではなく、リアルタイム処理を行っている。こういった人間の視覚情報処理に関して、興味関心を持ったことから、テーマを「リアルタイムジェスチャー認知システム構築の研究」と題した。学術的にも非常に難しいとされている分野であるが、近年では、ロボットの視覚情報処理が非常に発展し、自立型・創発型といわれるようになり、まさに画像処理の限界が試されようとしている。このような事に関して仕組みから理解し、人間のメディア(視覚)がいかにして処理されているかを読み解く。そしてそういったシステムを設計・構築し、人間の視覚情報処理の仕組みをコンピュータ上に作り上げるそういったチャレンジをしている段階である。具体的には、パターンマッチングを用いて画像認識を行うものである。
本研究の社会的な利用法として、ヒューマンインターフェースとしての利用である。具体的には、現在ではゲームなどコントローラやキーボード等あらゆる指令をボタンなどを通して送信・指令している。そこで私が考えたのは、ジェスチャー認知によるインターフェースである。たとえばゲームなど同期型(Interaction)で参加型インターフェースであれば指差す方向へコントロールすることが可能である。かつユーザーが参加しているという実感を得ることができ、新しい創造的なヒューマン・インターフェースを提案するものである。また、福祉的な利用として何らかの言語障害を持つ人々が"自分で"相手に伝える、自ら表現する手段とすることが出来るのである。