この研究で扱ったものは景観評価である。景観評価とは、景色、風景といったものから人間が感じることをデータとして収集し、本来曖昧である「綺麗」「汚い」などといった概念の数値化を目的とするものである。
今回私が評価対象に選んだものは街路樹と電柱で、私は電柱のある景観に悪い印象を持っているため、街路樹と比較することで電柱の与える心理効果を調査することにした。
研究方法はまず電柱や街路樹、背景のCGモデルを作成し、このCGモデルを元にSD法を用いたアンケート調査を行うというものである。しかし、今回の研究ではSD法の要である因子分析まで行うことができず、CGモデルを利用したアンケートの作成とアンケートの集計、考察をもって結論としている。
その結論としては電柱は景観に悪い印象を与え、街路樹は良い印象を与えることがわかったが、電柱と街路樹が両方ともある場合は悪い印象を与えてしまうことがわかった。
こうして一応の結果にはたどりつけたが、CGのレベルが低かったことやアンケート調査が不十分であったことなど残された課題は多く、まだまだ改善の余地がある。