本論は日本アニメを代表する宮崎駿の監督・脚本を手掛けた代表的な作品を中心に特徴や、魅力、また作品からのメッセージ性を分析、研究したものである。宮崎駿の作品は子供から大人まで、幅広い年齢層を魅了し、今や日本に留まらず世界的にも注目され社会的反響を巻き起こしている。宮崎駿は今日、子供たちに素晴らしいストーリーと映像を通して無数の夢や希望を与え、大人たちには深い社会的問題を問い掛ける作品を多数つくられてきた。
本研究では宮崎駿の有名な数々の作品を多方面から分析したうえでの政治的・思想的スタンスを調べ、宮崎駿アニメは何を伝えたいのか明らかにした。
また、宮崎駿における歴史や宮崎駿自身の分析等も宮崎駿に関する雑誌記事、インタビューを参考に調査した。作品の中で宮崎駿が十数年かけて伝えたかったメッセージ性の強いものからテーマ性はあまりなく、宮崎駿自身が生き抜きのために描かれた作品まで何を思って創られたのか分析した。また、宮崎駿が作品を作る過程でどのようなものを概念として作品を創っていたのか明らかにした。