「食品サンプルはどこへゆくのか」 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成17年度卒業研究概要集] [平成17年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
松田 喜好 ゼミ 平成17年度卒業論文
「食品サンプルはどこへゆくのか」
相馬 千晶

鉄火丼4,500円、チャーシュー麺5,000円、目玉焼き3,500円-なぜこれらの食べ物がこんなに高いのかお分かりだろうか?答えは食べ物ではないもの、というのは食品サンプル(以下、サンプル)のことである。私が初めてサンプルに興味を持ったのは、小学校低学年時に読んだ科学の学習教材の、子供の質問に答えてくれるコーナーに掲載されていたサンプルの作り方だった。今でも覚えているのだから、当時の私にとって大変興味深いものだったに違いない。その事を思い出しサンプルをテーマに決めることにした。

第1章では、サンプルの誕生を時代背景とともに取り上げている。調べた結果、ほぼ同じ時代に3人の人物が別々にサンプル誕生の礎を築いていた事実とともに、サンプルはデパートの食堂の歴史と深く関わっていたことが分かった。

第2章では、サンプルが誕生して間もない頃と現在の作り方や素材の違い、変化し続ける日本の食文化に合わせて生産されていくサンプルの年代別生産傾向や、ヨーロッパでサンプルが普及しない理由など-この章ではサンプルに纏わる様々な事柄を比較、考察する。

第3章では、新しいサンプルのかたちや役割について述べている。ここ数年で大ヒットしている食玩とサンプルとの関係や、医療や健康に携わるサンプルなど今までとは違う新しいサンプルの姿を調べた。

本論は日常に溶け込んでいるサンプルに着目し、その歴史や作り方から現代の新しいサンプルのあり方までを調査し、考察したものである。