近年、日本のインターネット利用者数は増え続け、平成16年末で人口普及率は62.3%を超えた。また、ブロードバンド利用率は半数以上である。しかしながらブロードバンド加入者数は世界中では4600万人にとどまり、米国では全世帯の17%しか利用していないのである。普及が進まない理由に、需要より供給側に問題がある。問題として、サービスの提供エリア外や住宅用ケーブル・インフラストラクチャがない、コストが高いと思われている為である。そうした問題を解決し、ADSLに代わるラストワンマイルとして注目されている無線技術がWiMAXである。WiMAXは1台のアンテナで半径約50kmをカバーし、最大で75Mbpsの通信が可能である。また、基地局は必ずしも電波塔のようなものに設置する必要はなく、通常は高いビルの屋上や給水塔などの比較的高い建造物の頂上にアンテナを設置するだけで低コストに導入できるのである。ユーザー側では、衛星放送で使われるような宅内機器を設置するだけで基地局との通信が出来るようになる。現在のブロードバンド市場のなかでもADSLを代替するものと注目される無線技術WiMAXについて既存の無線サービスや無線技術、主力となっているADSLなどと比較し、開発動向を踏まえWiMAXの展望をみていく。