光学式大容量記憶媒体の将来 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成17年度卒業研究概要集] [平成17年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
小宮山 隆 ゼミ 平成17年度卒業論文
光学式大容量記憶媒体の将来
岡野 浩幸

次世代記録メディアはBlu-ray Disc(これ以降BDと表記)とHD DVDの2つが存在する。

BDはDVDの5倍の容量向上やセキュリティの強化がなされており、HD DVDはDVD機器の上位互換機種としてHD DVD機器を開発するのが容易になっている。また、HD DVDメディアの生産設備もDVDメディアのものを流用でき、設備投資を抑えることができる。現行のDVD規格との互換性をほとんど持たないBD規格とは対照的な規格だ。次世代型DVD規格はHD DVD陣営(DVDフォーラム)と、先行して製品が発売されているBD陣営(ソニーなど)に分裂することが決定的になり、論文作成時の今もその対立は続いている。この2つの規格は記憶容量こそ、一層で5〜10GBの違いがある。その差は、今では当たり前のように存在する多層化技術によりその容量の差が顕著に現れる。多層化技術により、これから先のメディアの容量拡大という点でBDの技術は非常に優れている。しかし、メディアが特殊あるためにその製造コストは計り知れない。コストの点やCD、DVDなどの現状の規格との高い互換性を誇りながらも製造しやすいHD DVDは消費者にとってとてもありがたいメディアという側面を持っている。また、次世代DVDの仕様の問題よりも、FTTHの広がりによるストリーミング放送やVOD放送などの発達により映画の配布媒体としての光ディスクも10年後にはなくなるのかもしれない。そのように考えたときのメディアの特性に応じた用途も考える必要があり一概にはどちらが優れているとはいえない状況にある。そして、100GBから1TB収録可能といわれている 次世代ディスクの次の規格(ホログラフィックディスク等)も、実用可能な技術が発表されている。この論文では、次世代DVDの容量拡大の技術や光ディスクそのものの原理を始めとし、光ディスクの将来の用途や必要性について論じる。