情報大ステーション2004第11回『若き大道芸人たち〜ちば大道芸の日〜』(2004年9月10日放映)の制作 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成17年度卒業研究概要集] [平成17年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
伊藤 敏朗 ゼミ 平成17年度卒業論文
情報大ステーション2004第11回『若き大道芸人たち〜ちば大道芸の日〜』(2004年9月10日放映)の制作
水野 裕介

「ちば大道芸の日」は、毎月1回(原則第4日曜日)、千葉中央公園や千葉中央銀座通りの歩行者天国で開かれ、さまざまな大道芸人たちが自慢の芸を見せるイベントである。その常連出演者の「まぐねっと」という2人組の大道芸人は、千葉大学のジャグリングサークルに所属する大学生である。この作品は、「まぐねっと」と、高校生レポーターとの交流の姿を紹介したものである。

映像レポートでは、まず高校生レポーター3名が千葉大学構内を訪ね、大学生たちとの練習交流を行っている場面からはじまる。千葉大ジャグリングサークル「ぽっさむ」の部長今瀬さんと、「まぐねっと」リーダーの升国さんにインタビューして、ジャグリングの魅力について聞く。そして、「ちば大道芸の日」の当日、高校生たちは千葉中央銀座通りで演技中の「まぐねっと」の妙技を鑑賞し、またその演技の中に自ら参加して観客の拍手を受ける。大学生が高校生を指導する姿には、先輩と後輩の間に通いあう温かさがにじみ、高校生たちは観客の前で懸命に演技する大学生を観て、人を楽しませることの難しさと素晴らしさを学ぶ。最後にスタジオで、高校生レポーターが実際にジャグリングを披露して番組を終える。

この番組では、自らジャグリングを楽しむ若者たち、そしてそれを観ることで喜びをわかちあっている多くの人々の姿を描くことで、ジャグリングの魅力、街の中の大道芸の楽しさを紹介するとともに、このようなイベントを通じて活気あるまちづくりのあり方についても考えていくこともテーマだと考えた。そのため、観客と大道芸人との交流の場面などを挿入するなど、大道芸の技の紹介だけにとどまらない番組づくりを工夫した。

番組の評価としては、「こんな楽しいイベントがあったとは知らなかった」、「この作品を見て大道芸を好きになる人が多いのでは」といったものが多く、番組のねらいが、よく伝わったように思われた。「(番組を)どの年齢の視聴者に観てもらいたいのか、目的が明確でない」という意見もあったが、大道芸というのは年齢を問わずに楽しめるものであることを伝えたかったので、特に視聴者の年齢を絞る必要性は感じていなかった。ただ、この番組では主役である「まぐねっと」を中心に描いため、「ちば大道芸の日」に参加しているそのほかの多くの大道芸人達を紹介できず、このイベントをより広く宣伝していくという当初の目的からはやや不足なものとなったという反省もある。

現地取材やスタジオ収録を通じて、ジャグリングというものの魅力や楽しさに触れただけでなく、人前で芸を披露するということの緊張感、それを成し遂げたときの達成感などを間近に見て、ひとつのことに打ち込むことで得られる充実感を共感できたことは素晴らしい体験であった。