情報大ステーション2004第10回『ぐるっとみどころ中央博物館〜千葉県立中央博物館〜』(2004年9月3日放映)の制作 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成17年度卒業研究概要集] [平成17年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
伊藤 敏朗 ゼミ 平成17年度卒業論文
情報大ステーション2004第10回『ぐるっとみどころ中央博物館〜千葉県立中央博物館〜』(2004年9月3日放映)の制作
渡辺 健明

この作品は、千葉市にある、「千葉県立中央博物館」について紹介したものである。

同博物館は、房総の自然誌と歴史に関する総合博物館として、動物、植物、地学、歴史、生態、環境、環境教育などの各分野の資料を収集・整理・保存するとともに、調査・研究活動を行い、その成果を、講座や観察会の開催、展示活動や研究報告等に生かしている。展示室は、「房総の地学」「房総の生物」「海洋」「生物の分類」「小動物展示室」という5つの部屋から構成されている。

映像レポートでは、高校生レポーター2名が、同館の館内ツアー「ぐるっとみどころツアー」に参加して、これらの部屋を巡って歩き、ナウマンゾウの骨格標本、地震の震源の場所と深さを立体的に表現した展示、スズメバチの巨大な巣、照葉樹林のジオラマ、マッコウクジラの骨格標本など、同館の「みどころ」を紹介していく。小動物展示室では、高校生のカメラが、カエルの捕食の瞬間をとらえることに成功し、番組中の大きな見せ場となった。最後にスタジオで高校生レポーターが「身近な自然などについて、わかりやすく学べる感じだ。」と語り、司会者が、「少しの知識が増えるだけでも、身の周りの自然の見方や感じ方が格段に楽しくなる。身近な学習施設として積極的に活用していきたい場所。」とまとめる。

この作品では、博物館において実施されている「館内ツアー」というものの教育機能を紹介し、高校生レポーターがさまざまな展示上の工夫や所蔵資料の重要性などを学んでいく姿を通じて、博物館の役割、奥深さとその魅力を知ってもらうことが中心的なテーマとなった。編集においても、ツアーガイドの学芸員の方の解説や、それに参加した来館者の肉声を活かして臨場感が出るようにした。館内の空間の大きさを理解しやすくするため、ロングショットでは来館者の姿を入れこんだショットを用い、いっぽう細かい展示物については、ツアー終了後に再撮影を実施して正確な描写に配慮するなど、撮影・構成上の工夫をおこなった。

この番組については、「わかりやすい」、「身近にある施設なのに知らなかった」などの好評価や、「館内ツアーの流れが、子供のころにいった博物館見学を思い出した」といった感想があった一方、「(この程度の内容であれば)誰もが子供の頃に体験した博物館見学なので(テレビ番組化する)必要性を感じない」といった意見もあった。同博物館の細部についてもより詳しく紹介して、同館の魅力をより深く伝えたかったのだが、その表現と時間が足りなかったことは残念に思われた。

この番組の制作を通じて、テレビ番組というものは、視聴者からどのような情報が要求されているのかということを考えさせられた。誰でも知っている情報だけでなく、より新鮮で有益な情報を、どのように番組にとりいれ、発信できるかにその価値があるとのではないかと思った。市民にはよく知られた施設であるだけに、その記憶にある姿以上の魅力を伝えたり、それまで見落とされていたところを紹介していくといった構成を工夫することで、視聴者の興味をよりひきつけることができたのではないかと思われた。