情報大ステーション2004第21回『上総踊りでめざせV2!〜上総の国一宮まつり・上総おどりコンクール〜』(2004年11月19日放映)の制作 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成17年度卒業研究概要集] [平成17年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
伊藤 敏朗 ゼミ 平成17年度卒業論文
情報大ステーション2004第21回『上総踊りでめざせV2!〜上総の国一宮まつり・上総おどりコンクール〜』(2004年11月19日放映)の制作
比留間 大介

この作品は、一宮町の「上総国一宮まつり」において、20連(組)以上の参加団体が優勝を競った「上総踊りコンクール踊り審査」の模様を、コンクールに出場した一宮商業高校生徒たちの活躍の姿を中心に描いたものである。

「上総踊り」とは、地元に伝わる祭り歌に独特の振り付けをした踊りで、町民の健康増進のために始まり、現在では町内の様々な団体が踊りの技を競うようになった。その団体の一つが一宮商業高校であり、同校では学校をあげてこのコンクールに参加している。

映像レポートでは、東金商業高校の生徒2名がレポーターとなって、本番を前にしての一宮商業高校生徒の踊りの練習風景を紹介する。舞台はコンクール会場となり、会場に出店している人々や、コンクールの参加者にインタビューをおこなう。一宮商業高校の教頭とPTA会長から熱のこもったコメントを得る。そして始まったコンクール本番では、一宮商業高校をはじめとする、数多い参加団体の踊りをとらえる。後半では、校長先生へのインタビューをおこなった後、レポーターの2人も自由演技の踊りの輪に飛び入り参加して踊る。審査結果が発表されて、一宮商業高校生徒が優勝を飾り、生徒たちが大歓声をあげる。最後にスタジオで、高校生レポーターが「皆で力を合わせて達成した成果というのは一生の思い出」、「地域の人々が皆でお祭りを支えていて、そのお祭りが地域と学校、大人と子供、先生や生徒・PTAの皆さんの心の交流の場になっていることが素晴らしい」と述べる。

この作品で伝えたかったことは、一つの目標に向かって頑張る一宮商業高校生たちの姿、そして同校の教師・生徒・PTAが一丸となり、さらに地域と学校が緊密に関わりあっているところに、地域に根ざした学校のあり方が示されているのではないかということである。

撮影技術としては、祭りの臨場感をつたえるために手持ち撮影を随所でおこない迫力ある映像を撮ることができたと思う。結果発表の場面では、3台のカメラがレポーター、一宮商生徒、PTAというそれぞれのポイントで同時に撮影して、優勝の瞬間のそれぞれの表情をうまくカメラに収めることができた。

反省点としては、短い放送時間内ではあったが、主役となった一宮商生徒のインタビューをもう少し紹介したかったという点である。

この番組の評価としては、「一宮商業高校と地域との深い関わりが分かった」、「楽しい祭りの雰囲気が伝わってきた」というものが多かった。また、「もっと会場の店の映像があった方が良い」、「高校生レポーターにもっとメリハリが欲しかった」という意見もあった。レポーターはとても健闘してくれたのだが、このような評価があったのは、ディレクターとしての自分自身が高校生レポーターに対して気配りが不足し、祭りを楽しむ雰囲気にしてあげられなかったためではないかと反省した。

この作品の制作を通じて、撮影する対象物やロケーションによって、撮影方法を臨機応変に変えていく必要があること、それによって取材対象やその場所の雰囲気などを的確に受け手に伝えることができるということを学んだ。また現場監督であるディレクターは良い映像を作るだけでなく、それができるようにするための現場作り、チーム作りをしていかなければいけないということを学んだ。