情報大ステーション2004第16回『体験!募金活動〜あしなが育英会〜』(2004年10月15日放映)の制作 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成17年度卒業研究概要集] [平成17年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
伊藤 敏朗 ゼミ 平成17年度卒業論文
情報大ステーション2004第16回『体験!募金活動〜あしなが育英会〜』(2004年10月15日放映)の制作
大倉 隼人

この作品は、高校生レポーターたちが「あしなが育英会」の募金活動に体験参加した姿を中心に、同育英会の玉井義臣会長へのインタビューもおこなって、同会の活動の実際や、その理念について紹介したものである。

「あしなが育英会」は交通・災害遺児への奨学金の支給や、遺児の心のケアをおこなうことを活動の中心としている。

番組では、まず、募金活動について出演者らがスタジオで意見交換をおこなった後、映像レポートとなり、実際に千葉駅前で高校生の参加したあしなが育英会の募金活動の様子を紹介する。募金にあたる若者たちは、現在、同会から奨学金をうけている学生たち、そのOB・OGの社会人たち、そしてボランティアなど、幅広い人々であることが示される。つぎに、今回のレポーター役となった東金商業高校の生徒3名が、はじめての募金活動に挑戦する。最初のうちは、通行人に声をかけることができず困惑していた彼女たちだったが、ほかのスタッフから活動への心構えなどを聞いて次第に募金をしてもらえる方法を理解していく。大きな声を出しはじめ、やがて通行人から募金を受け取ることができるようになる。彼女たちは「活動をしてみて大変さがわかった。これからはボランティアとして参加していきたい」と述べる。

つぎに、「あしなが育英会」の事務局で、番組のディレクター(大倉)が、育英会の玉井会長に単独インタビューをおこない、育英会の設立のきっかけや、募金者と遺児たちとの心の交流などについて話しを聞く。最後にスタジオにもどって、放映日近くに行われる募金活動について紹介し、視聴者に協力を訴えて番組を終える。

この番組は、現在数多い募金活動団体のなかでも、顕著な実績を有する「あしなが育英会」について紹介するとともに、社会的な篤志のあり方というものについても考えてもらうことが主題であった。

番組の放映は、秋の募金活動にタイミングをあわせて10月となったが、撮影取材は4月のことであり、「情報大ステーション」としては初めてのロケーション取材であった。スタッフが取材と撮影の要領をつかめないまま実行したために、撮影技術など未熟な点もあったのは反省点だが、全体としてはわかりやすく、まとまった作品とすることができたと思う。

番組の評価として、「募金というものに興味が沸いた」というものが多かったのも、当番組の目的を果たせたことの証左だと思う。この作品で募金活動への認識を視聴者に深めてもらえれば、制作者としては満足である。最近は募金活動に偽装した現金集めをおこなう者もおり、その結果、募金行為そのものに懐疑心をもつ人々が少なくないのは悲しむべきことである。そのような人々に、確かな理念のもとに清廉な募金活動にとりくんでいる「あしなが育英会」を描いたこの番組を、ぜひ見てもらいたいと思った。