キューバ革命からみたアメリカとの関係 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成17年度卒業研究概要集] [平成17年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
石塚 省二 ゼミ 平成17年度卒業論文
キューバ革命からみたアメリカとの関係
阿部 貴之

キューバ革命とは、1950年代の「7月26日運動」によるアメリカの、傀儡政権(かいらいせいけん)バティスタ独裁政権の転覆およびフィデル・カストロによる新政権の樹立を目指す革命であった。この傀儡政権とはある領域を支配する政権が自立した政権ではあるものの、その実態においてはその地域に実質的な支配力を及ばせる外部の国家、政権、勢力にコントロールされていたり、その強い援助のもとに置かれている状態にあるものを指す呼称である。つまりキューバ革命前のバティスタ政権とは独裁体制を敷いていて、政敵は次々と粛正し、その上、アメリカ資本家と結びつき、私腹を肥やしたために、キューバ経済をアメリカに掌握され、結果的にアメリカによってコントロールされた傀儡政権であったのだ。

このアメリカによってコントロールされたバティスタ傀儡政権をカストロを中心とした若者たちは「7月26日運動」(M26)をはじめ、マエストラ山脈のゲリラ活動などで多くの仲間を失いながらも自分たちの信念を貫き通し、1959年に勝利を勝ち取った。

しかし、カストロ新体制になってからアメリカに通商停止を行われ、それは40年以上経った現在も継続されている。さらに共産圏との接触を開始し、国内に核兵器を持ち込んでキューバ危機という歴史的な大問題も起こしている。この問題はよくキューバがアメリカと距離をとり、ソ連との経済政策を続けたからだ。と、いわれてきた。

そこで、本論文の目的は、なぜカストロ革命政権はアメリカとの距離をとり始めたのか、そしてソ連に近づき、結果的にアメリカとの外交関係断絶となるのだが、キューバが経済困難に陥った本当の原因は何なのかということである。そのために、キューバ革命の歴史、当時の国交関係、資料等を調べ分析を行う。