本研究は、"一回旋一跳躍"(通称:前跳び)の跳躍する際の腕、および手首の動作に着目し、"順と交差跳び"(通称:あや跳び)ではこれらが"一回旋一跳躍"に対してどのような動作をしているのか、比較、分析をした。
被験者は東京情報大学に在学している大学生1名とした。
この被験者に、2種類の跳躍種目を"一回旋一跳躍""順と交差跳び"の順でそれぞれ20回ずつ行わせ、身体の正面と左側を撮影した映像から最もリズムが良く安定していた、跳躍の10〜11回目を採用、手首とグリップ先端の軌跡、肘の軌跡を分析項目とし、3次元分析を行なった。
手首とグリップ先端の軌跡は、"一回旋一跳躍"ではグリップ先端が直径約45cmの小さな輪を描いて運動しているのに対して、"順と交差跳び"では体の右側で描いた円が直径約57cm、左側で描いた円が直径約74cmと共に大きいという結果が得られた。
よって縄を回旋させにくい腕の交差後はおもに手首を大きく回旋させる必要があると考えられる。
"一回旋一跳躍"の肘の軌跡を"順と交差跳び"と比較すると、肘の最高点と最低点の高さの差が共に約30cmと、ほぼ同じである上に、"一回旋一跳躍"の肘が、"順と交差跳び"の肘の位置より体の中心線近くで運動しているという結果が得られた。
この事から、"順と交差跳び"において腕の交差をする際も、肩角度が小さいまま、いわゆる"脇を締めたまま"であると考えられる。