本研究は、経験者は未経験者に比べて、理想とされるサービスに近いのか。経験者、未経験者二人のサービス動作を分析し、被験者同士の比較、検討を行った。
被験者2人には何本かサービスを打たせ、初めにサービスコートへボールが入った時のサービス動作を分析に採用した。
インパクト時に、手首の角度が180°により近いことが理想とされているが、経験者は約163°、未経験者は約129°であり、経験者のほうが180°に近く、未経験者は経験者に比べて、インパクト時に手首が折れてしまっているのが見られた。打点は、腕とラケットを伸ばして打てる、もっとも高い位置が理想とされているが、経験者は未経験者より、約50cm高い位置でボールをとらえていた。身長は経験者の方が低いことを考慮しても経験者の方が、より理想に近い打点であると考えられる。さらに、インパクトは重心よりネット側でボールをとらえるのが理想とされる。しかし、前すぎて上体が前傾し、腰が折れてしまうのは、好ましくないとされている。経験者・未経験者共に重心よりネットよりでインパクトしているのが見られたが、未経験者は上体が前傾しているように見て取れた。
実験結果から、経験者が良いとされるサービスに近く、経験を積むほど、良いとされるサービスに近付いていくのではと考えられる。テニスサービスは人により個々の違いがあると考えられる。本実験では経験者、未経験者各1名ずつでおこなったが、経験者、未経験者の各人数を増やせば、より多角的で明確な分析を行うことができると思われる。