一輪車の動作分析 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成17年度卒業研究概要集] [平成17年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
石井 政弘 ゼミ 平成17年度卒業論文
一輪車の動作分析
井出 真一郎
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本研究は、一輪車を題材にし、実験から得られたデータを用いて、姿勢があまり乱れない走行(成功例)と途中で止まった(失敗例)の比較をしながら一輪車の走行時の動作分析を行った。

被験者は大学3年の男子、21歳で身長172cmである。被験者に、縦横3m、高さ2.5mの実験エリアでエリア側端に設置した椅子を支えにし、実験エリア内の椅子から手が離れた時をスタートとし、足が着くまでエリア内を一輪車で走らせた。その動作を計10回行った。それを、約16.7m離れた正面(カメラ1)と約22.3m離れた左側面(カメラ2)の二方向からデジタルビデオカメラで撮影した。実験で得られたデータを基に、姿勢の乱れがあまり見られないもの(成功)とエリア端に着くまでに足が着いてしまったもの(失敗)の各点(左右の第3中手指節関節、左右の手関節中心、左右の肘関節中心、左右の肩峰点、左右の足先点、左右の踵点、左右の足関節中心、左右の膝関節中心、左右の大転子点、頭頂点、左右の耳珠点、計21箇所)の空間座標数値をとり、それを用いて分析した。

実験結果より、成功例は重心と手や足などの軌道が同調するように左右にゆれ、数値的にも急激な変化などが見られない。それに対して失敗例は重心と手や足などの軌道が同調するような動きがみられず、また、数値的にも急激な変化などの乱れがあることなどの結果が出た。

実験の結果考察としては、横の動きについて検証したもので縦の動きと合わせると違いがでるかもしれないが、横の動きから一輪車のバランスをとろうとする動作を見ると、一輪車での走行中、足の動きに対して身体はゆれるようにバランスをとっているのではないか。