"御三家"とは、1960年代に絶大な人気を誇っていた、橋幸夫、舟木一夫、西郷
輝彦、の三人の男性歌手たちのことである。橋は、1960年に『潮来笠』という曲でデビューして、その甘いマスクと美声でたちまち人気歌手になった。次いで、舟木は1963年に詰め襟姿でデビュー曲『高校三年生』を歌い、一躍人気者になった。そして、西郷は1964年にデビュー曲『君だけを』をひっさげて、彗星の如く現れた。
このスターたちは、デビューしてまもなく同世代や若い世代に大きな影響を与えた
だけではなく、社会現象にまでなったのである。
一方、月刊『平凡』は、彼らが生まれる前後の1945年11月に創刊され、戦争で傷ついた人々の心の糧となった月刊雑誌である。50年代、60年代には国民的人気雑誌となり、1987年12月号を最終号として、終刊した。
本論文では、その人気雑誌月刊『平凡』の記事などを用い、橋・舟木・西郷のいわゆる"御三家"の動向を明らかにし、さらに社会現象として"御三家"を検証したいと思うしだいである。