国民的人気ドラマである「北の国から」を題材に、主人公の五郎が作中で造り上げてきた家をはじめとした様々な生活品を調べていく。このドラマは一家の家族愛を描いた作品であるが、もう一つのテーマとして主人公の自分流の生き方というのがある。今回の研究はそのもう一つのテーマに注目してみた。
まずはじめに連続ドラマとして描かれた全24話と、それ以降スペシャルドラマとして定期的に放送された全8話を簡単に紹介する。次に、ドラマの舞台となった「富良野市」について、その歴史とドラマ放送による影響などを調べる。最後は冒頭で述べたように、五郎の造った家を見ていくのだが、特に作中で「拾ってきた家」と呼ばれる、ドラマの集大成的な建物に注目して研究した。主な資料としては、ドラマのビデオや写真入りのガイドブックを使用ている。
この研究を通して、「北の国から」の実に細かい設定、作り手のこだわりはもちろん、主役である五郎の自分流を貫く時代に逆行する生き方、というものがさらに詳しく見えてくるだろう。