一章で日本の新聞の歴史と客観報道がどのように存在していたのか検証。二章、三章では現在の新聞に客観報道が存在するのか、しないのか。存在するとすればどのような形で存在するかをモダリティにて検証する。四章で結論を述べる。
日本における客観報道が確立されたのは、戦後のGHQのメディアに対する戦後政策であると、されている。しかし、それ以前に、本当に客観報道は行われていなかったのか。歴史の二次資料を用いて、新聞の草創期から戦時中、戦後のGHQのプレスコードまでを現在の客観報道の三原則(不偏不党原則、事実性原則、没論評性原則)と比較して検証していく。
今回のモダリティ検証では、検証対象の朝日新聞、読売新聞、毎日新聞の三大紙に限定して行った。結果として、客観報道は存在するという結論に至った。しかし、新聞は人によって創られるものである。今回のように新聞紙面のみに注目した分析では本当の結論が得られたのか。また、客観報道が存在するという結論自体にも疑問が残った。今後の課題としては、記者(制作者)の意識などの内面的部分と記事などの外面的部分の両面から見ていくことであろう。