アンケートによる音楽聴取と気分変化の予備的調査 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成17年度卒業研究概要集] [平成17年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
西村 明 ゼミ 平成17年度卒業論文
アンケートによる音楽聴取と気分変化の予備的調査
佐々木 翔一

「音楽を聴く前と聞いた後ではどのように気分が変化するのか?」という疑問を本研究ではアンケートを用いて調査した。

本研究の調査方法をアンケートにしたのは次の理由がある。従来は、被験者に音楽を聴取させて気分の変化を調査していたが、個人の感性によって聞かせる音楽の効果に差が生じる。そのために同じ曲を聞かせて気分変化を問うのではなく、アンケートを使用して各アンケート回答者の記憶の中に音楽を聞いて気分が変化したかを尋ねる方法が適切と考え、アンケートを実施した。

アンケートで主に問うのは音楽を聞く前の気分と聞いた後の気分であり、2つのパターンの質問を作成した。1つは「どのような気分のときにどのような音楽を聞くか」を問い、もう1つは「今までで経験の中でどんな気分のときにどのような音楽を聞くか?」を問うた。その他には、音楽を聞く理由やよく聞くジャンルなど気分変化に関係がありそうな質問をアンケートの中に挿入した。

この2つの質問の結果から、聞いた後の方が「楽しい」、「ゆったり」、「安心している」というポジティブな気分になるケースが多くなった。そして音楽聴取によって、1つ目の問いで主にポジティブからポジティブな気分への変化が多いこと、2つ目の問いではネガティブからポジティブな気分への変化が多かった。

だが、ジャンルと気分変化との関係、音楽聴取前後で気分が変わらない時にその度合いが強くなったのか、弱くなったのかなどが不明なままであった。

今回のアンケートには質問内容等で不備が多くあったことも事実である。今回のその不備が次回のアンケートで改善されたならば、信頼性のある集計結果や分析結果も得られて音楽聴取と気分変化の関係もより明確になっていたであろう。