我々が普段当たり前のように接している「光」。今や光が当たり前の時代になり、昔に比べて光のありがたみを感じる機会も格段に減ってきている。
しかし、光がないと何も見えないのは当然のこととして、人間が「色」というものを認識できるのは、光の反射があってのことだというのも知られている。そして、絵画や写真などの芸術の世界では、いかに光をうまく使うかによって作品の出来に大きな違いが生まれ、それが作者の腕の見せ所となり、個性となる。それは3Dのコンピューターグラフィックス(以下CG)にも言えることである。
この論文では、特にその3DCGに注目し、シェーディング、表面特性などのライティング技術と、光の表現がわかりやすいレイトレーシング法、ラジオシティ法を中心としたレンダリング技法の仕組みなどを、図や実例の画像を交えて解説しながら、CG表現を通して光の重要性や意味ということについて考えていく。