本論は、「中国と日本の見えない傷」をテーマとし、2004年サッカーアジアカップでの、中国の人民日報と日本の朝日新聞に掲載されたニュースを資料とし分析、考察したものである。今回のアジアカップは中国で行われた。その期間、中国のサポータがとった行動は日本で大きく報じられた。その一方で、中国の報道機関が中国人のサポータが起こした行動について報じていないのも問題になっていた。報道は真実を伝えることを目的・任務としている。しかし、中国の報道は権力と一体化していることが最大の特徴である。そのため、中国共産党に不利な報道を報じることができない。日本と中国は長い因縁を持っている。これからも互いに友好関係をもち続けるために両国の報道機関がどのような姿勢で事実と取り組むべきかを本論では検討している。