80年代後半に5%を越す経済成長を続け絶頂を極めた日本経済は、90年代の到来と同時に深刻な経済不況に陥った。バブル経済が崩壊し、以来10年余りの低迷を続けている日本。今現在も、日本はデフレ経済にあり消費は落ち込んでいる。
ニュースではよく景気は回復に向かっている、来年こそ脱出するだろうなどと言う言葉が聞かれても、全く脱出できていないというのが現状だ。2001年に発足した当時の小泉政権は、日本経済を大きく変革してくれるのではないかとの国民の期待を一身に受け、記録的に高い政権支持率を得た。だが今ではその支持率も30%代にまで落ち込んでいる。一向に回復しない経済、大手企業の相次ぐ倒産。リストラ。信用できない金融機関。大きな壁に直面している日本。従来の景気脱出の構想ではなく、今までにない構想でなければこの大きな壁を越えることは不可能ではないかと考えられる。
最近ではその過激な消費ぶりでマスメディアにも多く見かけるようになった、アニメやマンガといったモノを愛するオタクと呼ばれる人々。彼らが不況を回復させる鍵を担っていると囁かれるようになっている。世間一般からは「気持ち悪い」などと嫌悪されているこのオタクたちが本当に日本の不況脱出を握っているのか。またオタク文化とはどういったものなのか。本論では、先行する研究をベースにオタク、オタク文化について具体的に調べた。そして、一般消費者の動向と比べ、考察し、オタクが不況を脱出させる鍵となる構想を導き出した。