TBSのテレビドラマ「三年B組金八先生」は、1979年から現在まで、間歇的に7シリーズにわたって放映されてきた。このドラマは、それぞれの時代の教育状況を映し出す縮図であると思う。そこで私は、このテレビドラマ「金八先生」を現実の少年事件と比較しながらシリーズごとに分析してみた。
そこには、校内暴力が横行した80年代、打って変わって大人に対して冷めた反応を示しはじめた90年代、そして子供とは思えない凶悪犯罪が横行するようになった現代と、ドラマ「金八先生」では少年をめぐる教育問題が時代の移り変わりを反映して変化してきた。
本論文では、このように、ドラマ「金八先生」をベースにして、ドラマが放送されたそれぞれの時代における教育問題をめぐる時代考証をおこない、それを現代にリンクさせ、教育のあり方についての私見をまとめている。