私が、なぜこのテーマを選んだかというと、高校生の頃からミュージックビデオ(MV)見ることに興味が湧き出してきたことから始まった。
アーティストがテレビスタジオで歌う姿もいいが、私にはなぜか物足りなく感じた。その理由は、音楽番組とミュージックビデオに違いがあったからだ。
音楽番組は、スタジオで歌っている姿と歌を視聴者に届けているだけであって、ミュージックビデオは歌や姿はもちろん、アーティストやそのミュージックビデオを手がける監督の考えや伝えたいことがドラマ仕立てになっているのが多い。私は、こうしたドラマ仕立てのストーリーを見ながら歌を聴くことによって、伝えたいことや歌詞がリアルに表現されていることが楽しいのである。このような理由からメディアとしてのミュージックビデオの特徴と可能性を研究してみたくなった。
本論文では、以下のような内容で論じている。
1.メディアとしてのミュージックビデオ
2.広告としてのミュージックビデオ
3.節合文化としてのミュージックビデオ
4.岩井俊二「リリイ・シュシュのすべて」
5.「ミュージックビデオのメディア論」に向けて