本論文は、数々の缶やペットボトル商品が発売し、健康ブームで今一目置かれている茶について、文化や歴史といった様々な視点から考察している。まず、現在私たちの生活に溶け込んでいる茶の文化はいつ頃から始まったのか。これは茶の起源から迫り、発祥地である中国から見ていく必要がある。はじめ茶は飲用されていたのではなく、薬として利用されていた。たまたま茶葉を煮出したところ芳ばしい香りがするので飲んだことが、茶の飲用のはじまりである。しかし、当時茶は高級品で身分の高い者しか飲めなかった。茶園の普及により、次第に庶民に浸透していった茶は茶葉だけでなく、茶器といった茶道具も多く普及していき、日本にも伝来してきた。日本に入ってきた茶は、歴史的茶人によって「侘び茶」「茶の湯」を作り出し、日本独自の茶を確立していき、日本人に愛され、今日まで受け継がれてきた。そして、ここ数年で茶は缶やペットボトルといた姿に変化していき、「茶」は買うものとして消費者に受け入れられた。これは、急須で入れる茶では出せない味わい深いもので、缶やペットボトルの飲みやすさ使い易さが現代人の心を掴んだのである。この缶入り茶やペットボトル茶は急速に普及していき、新たな茶の文化だと思われる。