本論文は日本の新聞論調から日本人の抱く中国像を研究していくことを目的とするものである。資料の新聞は現在日本の主要三紙と思われる、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞のそれぞれの社説を中心に使用している。1章では現在の日中関係に多大な影響を与えていると思われる、日中戦争における日中関係について設けている。この中で、2節に中国から見る日中戦争(中国では抗日戦争と呼ぶ)観を述べることにより、現在の関係に至る経緯を広い視野から探ることを目的とした。2章では2004年の日中関係において外交問題となっている小泉首相の靖国神社参拝についてふれている。3章では2004年に開催されたサッカーアジアカップについてふれている。その中で起こった中国人サポーターの暴動、その背景にあるものについて述べている。2〜3章で出てくる事象は2004年日本人が最も関心を抱いていたであろう出来事を、新聞や雑誌をみることによって、日本ではどのように考えられ、取り扱われているかを研究することを目的としている。そしてそれらをまとめ2004年日本の世論調査で中国に対する好感度が大幅に下がっていることを新聞を調べることで日本の世論から探っている。