今日の日本は爆発的なラーメンブームである。なぜ、第二次世界大戦後の焼け野原にあった屋台の「支那そば 」が「ラーメン」に名を変え、今や日本の国民食になっていったのか。なぜ、日本人はこれほどまでにラーメンが好きなのか。
ラーメンは、中国から伝わり、ゆっくりと、長い時間をかけ、日本と中国の麺料理が折り重なり、融合してできた1つの文化食である。そこには、気の遠くなるような長い年月をかけ、様々な人々が創意工夫をして作り上げた歴史がある。
その歴史の中から、ラーメンが日本独自のものに変化し、国際的に「日本食」として認識されるようになったのだろうか。
それには、3つの疑問点があげられる。まず、近代にならなければラーメンは人々の間に広まらなかったのか。次に、第2次世界大戦後には、急速に日本全国に広まっていったのか。そして、「国際食」とまで言われるようになったのかである。本論では、その3つの疑問点をラーメンの発展の歴史とともに解き明かしていく。