今日、日本の自動車交通事故は年々増加の一途を辿っている。人が外から得る情報の80パーセント以上は、視覚からの情報に頼っており、自動車運転時には90パーセント以上が視覚からの情報に依存すると言われている。
本論では、視覚の弱点によって引き起こされる事故に着目して、あえて錯覚が起こるような道路状況を作り上げ、錯視という観点から事故を未然に防ぐことが出来ないかを検証した。
この事を検証する為に3DCGを利用して、実際に自動車運転時に直面するであろうストレートやカーブといった形状の道路を作り、そこに徐々に間隔が変化していくラインを引いた場合と引いてない場合とを走行したときとでは、ドライバーにどう違った見え方をするのか、それぞれ比較しアンケート調査を行った。
この結果、ストレート形状の道路では、ラインを引く事によって速度感覚の違いを引き起こし、スピード抑制効果が得られる事が分かった。