本研究の内容は、デジタルカメラでクラック(ヒビ割れ)が見られるコンクリートの写真を撮り、その画像を独自でプログラムを構築しながら画像内からクラックを検出する方法を見つけ出していくものである。
まず、サンプルとして選んだクラック画像に様々なシキイ値で二値化処理を行う。その結果から得られた画像を比較、検討を繰り返し画像に適したシキイ値を調べてみた。次に、この二値化処理の実験で見つけ出した「画像の各部によるシキイ値の違い」という問題に対して、二値化処理を複数のブロックに分割して行う方法を試みた。分割して二値化処理を行う際には画素濃度平均値を用い、その平均値に掛ける係数を変化させる事で、各画像の二値化処理による効果の違いを比較してみた。
次に、二値化処理した画像を膨張処理によって途切れてしまったクラックを連結し、縮小処理でクラック画像を簡略化し、メディアンフィルターで雑音を消す事で、出来るだけ見やすくて正確なクラックだけが残る画像になるように補正・加工した。ここで、これらの画像処理が対象となる画像の特徴によって、その効果に格差が出てきてしまう事が明らかになった。
最後に研究を進める中で解った問題点を示し、今後の課題としてどのように研究を進めていけば良いかを考察した。