本研究は画像処理による物体抽出方法の検討とプログラムの作製である。抽出方法として、画像の特徴量を用いた物体抽出法と、画像を領域に分割することで各対象を分離する抽出法を提案する。前者は抽出対象の位置や面積などの特徴量情報を基準として物体を識別しており、単体の物体を抽出するのに適している。後者は画像内で注目される濃度値を基準とした領域に分割することにより、複数の物体が存在する画像で任意の物体のみを抽出することが出来る。論文の後半では、作製したプログラムを条件別に実行し、物体抽出処理の特徴や残された課題を分析した。プログラムには物体抽出機能に加え、画像の補正と色を利用した抽出補助機能もあり、分析結果を活用して諸機能を効果的に実行する手法を示す。以上を踏まえ、より精巧な画像の物体抽出を実行させることで、合成画像のような写真を思い出としてだけではない表現用途に活かせる応用が出来る。