今日、日本では「ゆとり教育」や「学力低下」が謳われているが、一方で、世界には教育を受けることができない子どもが、1億2100万人も存在する。そこでその中にはどのような子どもがいるのかを見るために、貧困によりストリートチルドレンになった子どもが多いメキシコの子どもたちと、戦争により命まで奪われているイラクの子どもたちを取り上げている。
教育によって、子どもたちはより自分の意思に基づいて人生を送れるようになり、社会に貢献するスキルを見つけることが出来るようになる。その力が、生活水準の向上、貧困の緩和、保健水準の向上、乳児死亡率の減少などに大きく貢献する。しかし教育は貧困や戦争などの社会的・政治的諸条件の影響を受けやすく、それらを克服しても教育を受けることが出来ない子どもたちには教育環境や教員の質、教育財政、教育の非効率性などの教育上の壁が新たに立ちはだかる。
そのような問題は様々な機関や人が協力して問題と向き合うことで解決へとつながる。そこで日本でスリランカとインドネシアで教育里親制度を行っているC.P.I.教育文化交流推進委員会というNGOを取り上げ、NGOがどのようなアプローチで教育分野を支援しているかを考察を行った。その結果、NGOにとって最も必要なことは、支援を受ける側の視点であると考える。それはその視点がないと、その活動は本末転倒になってしまうからである。更に教育支援に関しては、多くの支援のあり方を用意することである。そして何より諦めないこと。子どもたちの学びに世界の未来がかかっているのだから、決して諦めることは出来ないはずである。そして何より子どもたちの未来のために。