90年代以降日本にとって中国は最も重要な貿易相手国となった。中国への輸出額は年々増え、2003年は前年比4割増の572億ドル。輸出に占める国別シェアは90年の12位から2003年には米国に次ぐ2位になった。(日本貿易振興機構調べ)しかし、日本は自家用車のシェア競争ではドイツ、アメリカ、中国国産車に押さえ込まれ1割以下に留まっている。近年爆発的に伸びている携帯電話でも、ノキア、サムスン、モトローラ3社に市場の65%まで押さえられ、苦戦・低迷している。なぜ重要分野の展開にあたって、日本企業はいつも決断・行動が一歩遅れ、劣勢に回る場合が多いのだろうか。その理由として、中国政府の政策、製造コストの高さ、日本企業側の対処の問題などいろいろ指摘されている。
今後、日本は中国とのパートナーの関係を積極的に進めていき、協力・信頼関係を構築していくことが必要であり、そのために中国人の消費者心理や消費動向を常に注視しておくことも必要だと思われる。本論は中国人の消費心理を把握し、日本製品の中国進出が成功するための条件を論じ、いくつかのアドバイスを示した。