本研究の目的は日本映画の歴史において、海外映画からもたらされた影響と海外に与えた影響について論考したものである。まず日本映画の誕生と変容について研究し、日本映画の成長が海外映画の影響によるものだということを明らかにする。次に海外映画に影響を受けて成長してきた日本映画が、逆に海外映画の成長に影響を与えているということを明らかにする。映画は誕生後ただちに日本にもたらされ、日本映画は多くの海外映画の影響を受けながら発達してきた。しかし日本映画は、次第に独自の映像表現の方法やテーマ性を備えるようになり、海外映画の成長に影響を与える作品も生まれるようになった。このような日本映画の作品を具体的な映画監督を例に挙げて検討し、日本映画が海外映画に影響を与えているということを明らかにし、最後にこれからの日本映画はどのように進化していくのかについて論考する。