メイキング映像ライブラリーに関する研究 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成16年度卒業研究概要集] [平成16年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
伊藤 敏朗 ゼミ 平成16年度卒業論文
メイキング映像ライブラリーに関する研究
江上 秀行

近年、映画のメイキング映像への関心が高まっている。これには、DVDという高密度記録媒体の普及により、その特典映像というかたちでパッケージ化されることが増えたことや、ハリウッド映画のプロモーション活動に見られるように、映画の製作過程そのものに商業的価値が見いだせ、メイキング映像の商品的価値が高まってきたという背景があるだけでなく、映画産業・映像文化の成熟に伴って、映像制作の技法についての知識や、映画の裏側で働くスタッフの努力に対する理解や共感が深まってきたことも示していると思われる。学校教育においても、メディアリテラシーの必要性が強調されるようになり、メイキング映像自体が、すぐれた映像教材になってきたともいえよう。

映像技術の解説だけでなく、映画が作品として、あるいは商品として完成されていくまでのプロダクション・プロセスから学べることは、非常に多いと思われる。本研究では、映画のメイキング映像を体系的にライブラリー化し、これを教育資源として活用する方法について考えることとする。多くのメイキング映像を収集し、内容を分析し、それぞれの構成要素ごとにまとめて、利用できるようにしておくことで、多くの学生によりよく映像を学べるようなライブラリーを構築する。

このような実践研究を通じて、メイキング映像の記録的・商業的・文化的、さらに教育的価値を明らかにし、映像表現の一ジャンルとしての確立をはかるものである。