サッカーFKにおけるボールの軌道 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成16年度卒業研究概要集] [平成16年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
石井 政弘 ゼミ 平成16年度卒業論文
サッカーFKにおけるボールの軌道
遠藤 満久
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本研究は、フリーキックにおけるキックの違いで、実際には見ることが難しい「真上から見たボールの軌道」「後方から見たボールの軌道」がどのようになっているか、キックのフォームと共に3次元分析し、その特徴を調べた。

被験者は本大学の学生で、サッカー歴10年程度である。この被験者にゴールから20m離れた所からインフロントキック、インステップキック、アウトサイドキックを各5回行わせた。その中から最も良かったと思うものをデータ分析に採用した。分析項目は1.連続画像で見たフォーム2.ボールの軌道3.重心の高さ変化とした。

三種類のキックのフォームをみてみると、おもにインパクトやフォロースルーで違いがみられた。これらを変えることでいろいろなキックを蹴ることができると考えられる。

インフロントキックのボールの軌道は、一度右へ打ち出された後、右から左へ曲がる軌道で、投射方向が右でもあるにもかかわらず、多少であるが左に曲がり斜めに落ちる軌道となった。インステップキックのボールの軌道は上から見ると直線的で、他の2つのキックより低い軌道となった。アウトサイドキックのボールの軌道はインフロントキックとは逆に左から右に曲がり斜めに落ちる軌道となった。ボールの平均速度はインフロントキックが約69km、インステップキックが約73km、アウトサイドキックが約56kmとなりこの中ではインステップキックが一番速い結果となった。

キック動作開始からフォロースルーまで全体の重心高さ変化をみたところ、三種類ともインパクト前の左足接地時で一番低く、インパクト後のフォロースルーで一番高い結果となった。左足接地時からインパクトにかけての重心の高さ変化は約3cm、インパクトからフォロースルーにかけての重心の高さ変化は約10cmとなり、三種類のキックとも同じような傾向を示した。三種類のキックの中ではアウトサイドキックが全体を通じて、常に重心が高い結果となった。