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乾 照夫 ゼミ 平成16年度卒業論文
ピクトグラムの歴史とこれから
滝口 安由美

通勤、通学で毎日、何千人何万人もの人が利用する駅。そんな駅で、非常口のマークやお手洗いのマーク、タクシー乗り場のマークなどを見かけたことはないだろうか。よく利用している駅では気に止めたことはあまりないような気がしますが、慣れていない駅の利用などでは私は、そのマークを頼りにする事が多い。そのようなマークの事をピクトグラム(pictograph)という。日本語に直せば、『絵文字』とか『絵ことば』と呼ばれるグラフィック・シンボルのことである。基礎的造形要素を組み合わせた図形等によって、ある意味を表示し、言語及び教育や年齢や経験の越え、視覚的に瞬時に人間が理解できるようにデザインしたビジュアルコミュニケーションである。

第1章ではラスコーの洞窟壁画から、象形文字というピクトグラムの誕生をまずおった。そして物を模ってできた漢字にうつり、まだ字が流通していない江戸時代に存在した文盲暦や看板。そして、いよいよピクトグラムが世に出た東京オリンピックへとうつり現代の交通標識までの歴史を追った。

第2章ではピクトグラムの形にどのような意味をもたらしているのかを追った。まず、具象とし具体的な形をもつ場合からおった。そして、プロセス・複合概念とし、意味が具体的な形をもつ場合でも、動きや変化や作用などのプロセスと、状況などを含む複合概念について論じた。抽象、矢印と論じ否定・禁止・注意では同様の物でも、世界の各地で事情が異なるという事について論じ、その他に地域性と身障者シンボルについて論じた。

第3章では将来性と役割とし、これから医療の中でどのようにピクトグラムがたずさわり、その為にコンピュータ化する事によりうまれるメリットとデメリットについて論じた。

日本人はピクトグラムの才能に優れていると以前にきいたことがある。ピクトグラムが、日本が誇ることができる文化として今後、世界に進出していくことを願って私はこの論文を完成させた。