クローン人間について [東京情報大学] [情報文化学科] [平成16年度卒業研究概要集] [平成16年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
乾 照夫 ゼミ 平成16年度卒業論文
クローン人間について
日高 広嗣

1997年2月、クローン羊ドリーの誕生が発表され、世界を騒がせた。そして2002年4月、ついにクローン人間の妊娠に成功したという発表がされた。いよいよ来たか、と思った人もいるだろうし、眉唾ものだと思った人もいるだろう。今のところ真偽は不明だが、技術的にはいつクローン人間が生まれてもおかしくないところまで来ているのは確かである。

現在の段階では、「安全性が保障されないのでクローン技術を人間に適用するのは問題がある」「既に存在している誰かと同じ遺伝子を持った人間を新たに生み出すことは、個人の独自性を犯すことになり、人間の尊厳を侵害する」とされている。しかし、技術的な問題はそのうちに無くなる可能性がある。また、本当に人間の尊厳を侵害するのだろうか?

また、もしクローン技術を容認するとしても、全面的にクローン技術を容認するのは正しいとは思えない。人工授精という技術が実用化された時、既にクローン技術へ繋がる道は開かれたといってもいいだろうが、クローン人間を無条件で認めることで、行き過ぎたことをしてしまう可能性がある。全面的な禁止でもなく、全面的な容認でもなく、何が善いのか悪いのかを明確にし、適正な規制をすることが最も重要なことである。

第1章ではクローン技術について述べ、第2章ではクローン人間について考察し、第3章では第2章で得たことをもとに、より具体的に考察していく。